ゆにっと・ふぁんたむず & Marmoset COLLABO
MONSTER'S LAIR ~消えていく者 蘇るモノ~
2006/7/6 大塚 萬劇場
STEP片割れの山岸が、またまたMarmosetに出るというので行った。東京は大塚。萬は初めてだ。大塚は都電がある。高田馬場に通った者としては都電が走ってるだけでうれしくなるなあ。
さて、2劇団のCOLLABOらしいこの作品。前に見たMarmoset作品同様、未だに良く分からない所がある。結局、最後はどうなったのでしょう。
とある樹海の中に建つHOTEL。そこのオーナーは、なんとドラキュラ。で、従業員全員が物の怪という設定。背筋の正しいせむし男が客を迎え、人の形をした座敷童子が居候をする。
このドラキュラさん、物の怪が普通の人たちと共存できないかをン百年と研究しており、様々な手法で一見人間として振舞えるようにワザをかけている。が、未だ完全なワザではなく、ろくろ首さんはムチウチで苦しみ、若き砂掛け婆は不眠症に悩む。そんな噂をどこからか人も物の怪も聞きつけ、集まってくる。そして満月の夜には、二度と帰らぬ者まで現れるという。
噂を聞いた雑誌記者一行と刑事達も、満月に合せHOTELへ。
だが、想像に反して物の怪たちは素直に質問に答える。自分達はオーナーにより救われていること、自分の意思でここで役割を見つけ働いていること、出来ることなら静かに暮らして生きたいこと。
だが、満月が昇るにつれ、不穏な影が忍び寄る・・・
前回観たMarmoset作品も同じような感覚の作品である。簡単に言えば、ゲームやアニメ的なのだ。物の怪が出るからアニメ的というわけではない。話の展開、演出法にある種の雰囲気がある。友人であるβ氏の表現を借りれば、基本となる話に「コード化」「パターン化」を組み入れた展開と、それを生かすべくポイントを押さえた演出となるのかな。
http://bbeta.exblog.jp/2322435
ここでなぜ人の話を借りるのか。正直に言って、こういう展開が苦手なのだ。この手のゲームやアニメが生活の中に普通にある人なら何の抵抗も無く頭に入るのだろう。
ま、俺、オジサンダカラナア・・・・と、言いたいところだが。せっかく上京してまで意味分からないのを見せられるのは辛いなあ。
結局、オーナーをコントロールしてた悪者は、何が最終目的だったのか。ミイラさん二人の目的も分からない。オーナーの「妹」とされた女性は、何のために連れられていったのか。物の怪たちは、どこに向かおうというのか。取って付けた様に豹変する妖怪ハンター。妖怪ハンターという生業が嫌だ、という割にはしっかり修行してる演出だし。そもそも才能や生まれ持った物だけで物の怪と対峙できるならハンター一人で解決できちゃうじゃん。
役者達は分かってやっているようだし、客の殆どが楽しんでいるようなので分かっているんだろう。字で見れば分かるのかな。
オタク風に言えば、ガンダムにZガンダムのサイドストーリーを無理やり入れたような。欲張り?。
というわけで、ストーリーとそれに関わる演出は、決して褒められたものじゃない。残念ながら。
でもね、決して全てが悪い作品ではないのだ。それは役者の平均レベルが高いからだろう。少なくとも楽しんでやってるし。特に平均より高い美形揃いの男優。いいなあ、イマドキの若者は、皆足が長くて。女優達は美形というより個性がしっかりある。役者達はそれだけでも売りになる。そうゆう役者を集められるってのも才能だな。
でもね。
男どもよ、なぜ君たちはもっと自信を持って舞台に立たないのだ。いつも何かを気にしているような演技なのだよ。演出にその演技でOK貰っているなら何も気にすることも無いだろう。大事なシーンでもそんな感じだから、客席に偉い人でも居るのかときょろきょろしてしまったぜ。
物の怪役の女優の衣装が良い、というか、演出の狙いにあっていた。オリジナルのロングタイプメイド服なのだ。この前アキバに行ったら、路上で黒のミニのメイド服のねーちゃんたちが現れて、カメラの連中が取り巻いていた。正直どこがいいのか分からなかった。どう見ても風俗、良くて喫茶店のウエイトレスじゃんと。ところが、劇中の衣装はそういう下品なところは無いのだが、猫娘役の女優にはアクションがある。このお方が高いところから飛び降りたり、後半ではくるくる回ったりして戦っちゃうのだ。さらに白のガーターストッキングで。
なるほど!と思った。たまにネットを渡り歩くと、メイドが主人公の同人系雑誌がアップされたりしてるが、まさにアニメの主人公そのものなのだ。しとやかな感じの女の子が激しく戦うってのもいいもんだな。と、ちょっとオタク文化の一角に触れた感じだ。
今回も映像を使ったり、流行のものを入れたりした仕立ても悪いとはいえないけど、こういうのを見れば見るほど、シンプルなものを観たくなる。この路線もファンに残しつつ、例えばピーターブルック風の物にチャレンジして欲しいなあと思った。役者には可能性を感じるのだよ。それを面白いと感じるかは別だけどね。
で、とって付けた様に山岸君の感想も。
楽にやってるから(手を抜いているって訳ではない)良い感じよ。可能性を広げるには必要だもの。まあ、おばちゃんがんばってるってふうにはならないでね。
ただね、今のあなたの演技はいまだ心に残らない。もしかして相変わらず全ての台詞を届けようなどと思ってるのかしらね。2時間の芝居でも、観終わっても心に残るシーンはせいぜい30分。1週間経てばわずか10分。その10分間に残るための芝居も考えようよ。
MONSTER'S LAIR ~消えていく者 蘇るモノ~
2006/7/6 大塚 萬劇場
STEP片割れの山岸が、またまたMarmosetに出るというので行った。東京は大塚。萬は初めてだ。大塚は都電がある。高田馬場に通った者としては都電が走ってるだけでうれしくなるなあ。
さて、2劇団のCOLLABOらしいこの作品。前に見たMarmoset作品同様、未だに良く分からない所がある。結局、最後はどうなったのでしょう。
とある樹海の中に建つHOTEL。そこのオーナーは、なんとドラキュラ。で、従業員全員が物の怪という設定。背筋の正しいせむし男が客を迎え、人の形をした座敷童子が居候をする。
このドラキュラさん、物の怪が普通の人たちと共存できないかをン百年と研究しており、様々な手法で一見人間として振舞えるようにワザをかけている。が、未だ完全なワザではなく、ろくろ首さんはムチウチで苦しみ、若き砂掛け婆は不眠症に悩む。そんな噂をどこからか人も物の怪も聞きつけ、集まってくる。そして満月の夜には、二度と帰らぬ者まで現れるという。
噂を聞いた雑誌記者一行と刑事達も、満月に合せHOTELへ。
だが、想像に反して物の怪たちは素直に質問に答える。自分達はオーナーにより救われていること、自分の意思でここで役割を見つけ働いていること、出来ることなら静かに暮らして生きたいこと。
だが、満月が昇るにつれ、不穏な影が忍び寄る・・・
前回観たMarmoset作品も同じような感覚の作品である。簡単に言えば、ゲームやアニメ的なのだ。物の怪が出るからアニメ的というわけではない。話の展開、演出法にある種の雰囲気がある。友人であるβ氏の表現を借りれば、基本となる話に「コード化」「パターン化」を組み入れた展開と、それを生かすべくポイントを押さえた演出となるのかな。
http://bbeta.exblog.jp/2322435
ここでなぜ人の話を借りるのか。正直に言って、こういう展開が苦手なのだ。この手のゲームやアニメが生活の中に普通にある人なら何の抵抗も無く頭に入るのだろう。
ま、俺、オジサンダカラナア・・・・と、言いたいところだが。せっかく上京してまで意味分からないのを見せられるのは辛いなあ。
結局、オーナーをコントロールしてた悪者は、何が最終目的だったのか。ミイラさん二人の目的も分からない。オーナーの「妹」とされた女性は、何のために連れられていったのか。物の怪たちは、どこに向かおうというのか。取って付けた様に豹変する妖怪ハンター。妖怪ハンターという生業が嫌だ、という割にはしっかり修行してる演出だし。そもそも才能や生まれ持った物だけで物の怪と対峙できるならハンター一人で解決できちゃうじゃん。
役者達は分かってやっているようだし、客の殆どが楽しんでいるようなので分かっているんだろう。字で見れば分かるのかな。
オタク風に言えば、ガンダムにZガンダムのサイドストーリーを無理やり入れたような。欲張り?。
というわけで、ストーリーとそれに関わる演出は、決して褒められたものじゃない。残念ながら。
でもね、決して全てが悪い作品ではないのだ。それは役者の平均レベルが高いからだろう。少なくとも楽しんでやってるし。特に平均より高い美形揃いの男優。いいなあ、イマドキの若者は、皆足が長くて。女優達は美形というより個性がしっかりある。役者達はそれだけでも売りになる。そうゆう役者を集められるってのも才能だな。
でもね。
男どもよ、なぜ君たちはもっと自信を持って舞台に立たないのだ。いつも何かを気にしているような演技なのだよ。演出にその演技でOK貰っているなら何も気にすることも無いだろう。大事なシーンでもそんな感じだから、客席に偉い人でも居るのかときょろきょろしてしまったぜ。
物の怪役の女優の衣装が良い、というか、演出の狙いにあっていた。オリジナルのロングタイプメイド服なのだ。この前アキバに行ったら、路上で黒のミニのメイド服のねーちゃんたちが現れて、カメラの連中が取り巻いていた。正直どこがいいのか分からなかった。どう見ても風俗、良くて喫茶店のウエイトレスじゃんと。ところが、劇中の衣装はそういう下品なところは無いのだが、猫娘役の女優にはアクションがある。このお方が高いところから飛び降りたり、後半ではくるくる回ったりして戦っちゃうのだ。さらに白のガーターストッキングで。
なるほど!と思った。たまにネットを渡り歩くと、メイドが主人公の同人系雑誌がアップされたりしてるが、まさにアニメの主人公そのものなのだ。しとやかな感じの女の子が激しく戦うってのもいいもんだな。と、ちょっとオタク文化の一角に触れた感じだ。
今回も映像を使ったり、流行のものを入れたりした仕立ても悪いとはいえないけど、こういうのを見れば見るほど、シンプルなものを観たくなる。この路線もファンに残しつつ、例えばピーターブルック風の物にチャレンジして欲しいなあと思った。役者には可能性を感じるのだよ。それを面白いと感じるかは別だけどね。
で、とって付けた様に山岸君の感想も。
楽にやってるから(手を抜いているって訳ではない)良い感じよ。可能性を広げるには必要だもの。まあ、おばちゃんがんばってるってふうにはならないでね。
ただね、今のあなたの演技はいまだ心に残らない。もしかして相変わらず全ての台詞を届けようなどと思ってるのかしらね。2時間の芝居でも、観終わっても心に残るシーンはせいぜい30分。1週間経てばわずか10分。その10分間に残るための芝居も考えようよ。
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by engekistep
| 2006-07-09 10:31
| 演劇